まるっこ日記

いろいろ書きます。

不育症の妊娠のこと①

胎嚢確認後と心拍確認後の流産が続き、めそめそしながらネットで調べていたら「不育症」というキーワードを知りました。不育症の方のブログで、勉強させてもらったり力づけられたり、大変ありがたかったので、自分の経験も書いておくことにしました。

とはいえライブ感あふれる毎日を綴るのはなかなかタイヘンなので、ちょっとずつまとめて書きます。

 

不育症の診断まで

当初は中規模の総合病院内の産婦人科にかかっていました。診療内容に「習慣流産」とあったものの、流産後に検査をしたいと相談すると「そこまでしなくても…流産はよくあることなんだし…」と渋めな反応。なので紹介状を書いてもらい、不育症科のある病院に行きました(クリニックじゃない病院はどうしても紹介状必須のところが多いですね〜)。

不育症のリスク要因は大きく分けて4つあり、

  1. 子宮形状
  2. 血液凝固因子
  3. 内分泌系
  4. 夫婦染色体

の異常が検査により特定可能ですが(それでも6割弱は原因不明または偶発的)、子宮形状には問題がなさそうということで、残る3つについて血液検査をしました。

費用は②③の保険が効く分で約8,000円、自由診療分で約35,000円、④は自由診療のみで約10,000円×2(夫婦の分)くらい。高温期中頃に行いました。あと、生理中に③の女性ホルモンと甲状腺機能の血液検査をしましたが、費用を覚えてない…確か、保険診療だった気がします。

 通院3回目(ここまでで1ヶ月半くらいかな)で全部の結果が出て、私は②の血液凝固因子のプロテインSとプロテインCに問題があるとわかりました。抗原量は通常範囲の下限ぎりぎりで、活性が低いという結果でした。

参考:本邦における不育症のリスク因子とその予後に関する研究 レポート􏳁􏻸􏰋􏰌

 

治療開始

血液凝固因子に起因する不育症の治療は「血が固まりやすい体質なので薬で血をさらさらにする」で、低用量アスピリン投与が第一選択だそう。私もまずはバイアスピリンを1日1錠服用して妊娠にチャレンジすることになりました。

しかし、残念ながらまたも初期で流産となってしまいました。

バイアスピリンだけでは流産を防げないとなると、バイアスピリンに加えてヘパリンが選択肢に入ってきます。ただヘパリンは自分で注射!1日2回欠かさず!!生まれるちょっと前までずっと!かなりハードルが高い。。しかも、バイアスピリンだけの場合とヘパリン併用の場合だと、治療成績は劇的には変わらない(向上はする)。。

この時の流産は子宮内容物の病理検査のみで、染色体検査はしませんでした。費用もかかるし(約6万)、気落ちしていて前向きに向き合う気持ちになれなかったので。そのため、受精卵の偶発的な染色体異常だったのか、母体体質によるものかの切り分けはできませんでした。*1

ちょっと悩んだのですが、さっさとヘパリンをためしてそれでもダメなら今後の身の振り方を考えよう…若くもないし…と考え、次回の妊娠ではバイアスピリンとヘパリンを併用することになりました。

参考: 杉ウイメンズクリニック 新横浜:プロテインSの正常値とその治療方針。 

 

ヘパリン始めました。

私のかかっている病院は在宅自己注射を始める前に入院して練習する仕組みでした。初めはめちゃくちゃビビって教えてくれる看護師さんに一工程ごとに確認を求めてましたが退院するころにはちゃんと一人でできるようになりました!

でひたすら1日2回、注射していくわけなのですが…

  • 青アザがすごい(腕の場合、半袖でいたらギョッとされる)→浅すぎず深すぎず刺すとうまくいくのだが、慣れても打率8割くらい。お腹に打つときはボトムスのウェストに干渉しない位置に。二段腹(!)の場合段差になる部分は避ける。妊娠中期以降になるとお腹がパンパンになってつまめなくなるのでお腹に打つのは早いうちがいいかも。
  • かゆい!!!!!!!!1!11!!!!→注射を打っている箇所がとにかくかゆい。皮膚科でもらった薄めのステロイド軟膏を塗りました。ムヒでも別にいいらしい。
  • 注射したところが腫れる、しこりになる→どうしようもない。
  • 前注射したところに刺すと血がとまらない……→指す前に軽く押したときの手応えの違いからなんとなく判別がつくように。ただし数ヶ月もすると刺せるところがなくなってくる。
  • アレルギーっぽい症状→鼻水が止まらなかったりアトピーみたいになったりしてます。どうしようもない。ヘパリン始めてから好酸球が増えてるのと関係があるのかもしれない。

でもそのおかげか?今までで最長の妊娠期間になっています!(不育症特有の喜びポイント)

 

 コンバインド検査でどっきり

出生前診断の一つに初期コンバインド検査というのがあります。11w〜13wにエコーで厳密に測定した胎児の首の後ろのむくみの厚み(NT)と、母体血中の胎盤由来のタンパク質(PAPP-A)と妊娠ホルモン(free-βhCG)に年齢や週数、糖尿病の有無、人種などの情報をかけあわせ、21トリソミーと18トリソミーの確率を算出する検査です。

もともと出生前診断をするつもりでいたのですが年齢制限で認可施設ではNIPTが受けられなかったので、これを受けました。

で、NTとβhCGは正常範囲だったのですが、PAPP-Aに問題が。正常の場合の分布のピークが1.0MoM付近、21トリソミーの場合0.5〜0.6MoMなのに対し私のPAPP-Aは0.2MoMでした。低すぎ。

papp-a(c)Sigma diagnotics

http://sigmadiagnosticsinc.com/product/papp-a/

 

Kagan, Karl & Wright, Dave & Valencia, Catalina & Maiz, Nerea & Nicolaides, Kypros. (2008).

 

この図では90%が入るあたりがそれぞれ楕円で囲まれています。Normalには入らないので、やはりトリソミーの可能性が高いという結果に。(検査結果としては「カットオフ値より高いため陽性」という形で出ます)

迷わず羊水検査に進むことにしましたが、羊水検査ができる週になるまでの2週間くらいは「PAPP-Aだけが問題なんだし大丈夫だろう」と「もし陽性が確定したら」の間で仕事も何も手につかずとても情緒不安定になりました。

羊水検査の結果は陰性。

結果を伝えてくれた医師に「PAPP-Aは胎盤由来ということだが、不育症に関係があるか。早産や胎児発育不全に関係するという説も見たけれど、今後の妊娠経過に影響するか」と質問してみました。「不育症が関係している可能性はあるが確実ではない。早産などは今後の経過で兆候が見えてくるし、PAPP-Aだけで決まるものはないので現時点で心配しなくて良い。」というような回答でした。

完全に素人の感想レベルですが、可能ならNIPTを受ける方が、無用のストレスがなくていいのかも、と思いました……。ただ、バイアスピリンやヘパリンを投与していると、NIPTで分析不能となってやり直しになることがあるため、数日前から休薬する必要があるそうです。認可外など普段行かない病院で受ける場合は、確認した方がよさそうです。

*1:しておけば今後の治療の判断材料にはなっただろうが、ヘパリンをやる必要はない!と言い切れる材料とはならないのでやる気になれなかった